- HSPは接客に向いているのか知りたい人
- HSPにぴったりの接客業を知りたい人
筆者はこんな人
- HSP歴34年
- 接客業7年の経験あり
世の中では、「HSPは接客に向かない」とよく言われます。
- 繊細なので、お客さんと接していると気疲れする
- お客さんに嫌なことを言われると、精神的ダメージが大きい
など、いろんな理由があるでしょう。
ですが「すべての接客業が向いていないか」というと、必ずしもそうじゃありません。
僕はむしろ、世の中には、HSPがとことん楽しめる接客業もあると思ってます。
今回は僕の実体験をもとに、「HSPの天職になり得る接客業・向いてない接客業」をご紹介します。
自分に向いた仕事で楽しく働けるよう、ぜひ参考にしてみてください!
HSPの天職になり得る接客業
① 野外アクティビティの接客
野外アクティビティの例
- スキー
- キャンプ
- トレッキング
- 釣り
など、「自然のなかでの活動・遊び」のことですね。
HSPは、こうしたアクティビティでの接客を人一倍たのしめます。
理由はずばり、
「自然の美しさに感動しながら、上機嫌でお客さんと接することができるから」
です。
感受性ゆたかなHSPにとって、自然のある職場は天国。
- 木々の緑
- 沈んでいく夕日
- 遠くに見える壮大な山景色
↑こうしたものを人一倍「美しい」と感じるので、つねに幸せな気分で働けます。
僕がむかしキャンプ場で働いていたとき、楽しくてしかたありませんでした。
場内の森をパトロールしているとき、生い茂る緑をみて「なんてきれいなんだろう・・」と感動し、テントの前で作業しているお客さんたちに上機嫌で話しかけたりしていました。
また、キャンプ場のお客さんは、たいてい穏やかでフレンドリー。楽しく会話でき、働いているその時間がとにかく有意義です。
野外アクティビティの現場で接客すると、HSPはとことん楽しめます!
② 子どもたちと接する仕事
たとえば・・
- スキー場のキッズパーク
- 小学生向け・塾の講師
- 工作などのワークショップ施設
- 子供向けインストラクター
など。
HSPがこうした仕事をすると、才能をバクレツに発揮できます。
HSPには子どものように「純粋な気質」があり、子どもたちが遊んだり楽しんだりしているときの気持ちを汲み取れるからです。
僕はむかしリゾートホテルのクラフト工房で、子どもたちのキャンドル制作をサポートする仕事をしていました。
そこには子どもたちが「オリジナルのキャンドル」を作りにやってくるのですが、彼らのモノづくりをサポートするのは本当に楽しいものがありました。
子どもたちが感性の赴くまま、好きなキャンドルを好きなように作る。
そのときに上手な作り方をアドバイスしたり、必要な材料を用意してあげたりするのはやりがいがありました。
キャンドルが完成して喜んでいる子どもたちを見ていると、彼らがあんなに純粋に喜ぶことに役立てて幸せだなと心から思えました。
純粋な子どもたちと接する仕事では、HSPは楽しく働ける可能性があります!
③ 特定のお客さんとじっくり向きあう接客
たとえば・・
- 看護師
- 美容師
- バーの店員
上記のように、一人、あるいは一組のお客さんと時間をかけて関わる仕事は、HSPの天職になり得ます。
相手への配慮がきめ細やかで、お客さんが「気持ちいい」と思うコミュニケーションが上手だからです。
美容室でお客さんの髪を切りながら、お客さんの話に熱心に耳をかたむけ、そのつど相手の気持ちを読んだ適切な発言ができます。
「このタイミングでこういうことを言えば、お客さんは嬉しいだろうな」
というのが手にとるようにわかるので、お客さんをとことん喜ばせられます。
時間をかけて特定のお客さんとじっくり関わる仕事は、HSPの得意分野です!
注意!HSPがやってはいけない接客
① 飲食チェーンの接客
HSPは、お客さんが喜ぶ姿を見ることに、人よりも感動できます。
ですが世の中には、お客さんの喜ぶ姿をあまり見られない接客業があります。
その代表例が飲食チェーン店。
たとえば牛丼チェーン店に来るお客さんは、パッときてパッと食べて去る。そうした人がほとんどですよね。
バーや美容室のお客さんと違い、「店でゆっくり楽しみたい」「スタッフとの会話を楽しみたい」といった欲求はありません。
なので「お客さんの喜ぶ姿をみて幸せを感じる」というHSPの特性を活かせません、、
また、HSPが飲食チェーン店の接客に合わないのは、もう一つ理由があります。
それは、「接客がマニュアル化されている」ということ。
HSPは思いやりがあり、きめ細やかな接客ができます。
ですがマニュアル化された接客現場では、「決められたやり方で接客すること」が求められます。きめ細やかな接客はとくに求められません。
機械的な接客になりやすく、HSPにとって、あまりやりがいを感じられないでしょう。
② コンビニ店員
HSPは人と濃密な会話をするのが得意。
ですが、コンビニの接客ではその能力を活かせません。お客さんと話す機会がほとんどないからです。
話す機会といえば以下のとおり
- 「いらっしゃいませー」
- 「袋ご利用ですか」
- 「お会計○○円でーす」
- 「ありがとうございましたー」
これだけです。
なかには会計時に無言で品物を受けとり、去っていくお客さんも多いです。
そこにお客さんとの心の通ったやりとりはなく、会話もほとんど楽しめないので、HSPにとっては物足りないと感じます。
またコンビニには、癖のあるお客さん・ガラの悪いお客さんも多いです。
HSPは繊細。イヤなお客さんに横柄にふるまわれるたび、傷つくことになります。
お客さんとのやりとりを楽しめない&嫌なお客さんが多いので、コンビニの接客はやめておきましょう。
③ 中学生と関わる仕事
たとえば・・
- 中学校の教員
- 中学校の塾講
など。
中学生は思春期ということもあり、人に無遠慮な態度をとりがち。
他人の言動にいちいち敏感に反応してしまうHSPは、中学生に「ぶしつけなこと」を言われるたびグサリときてしまいます。
僕は学生時代に塾講のバイトをしており、中学生に勉強を教えていました。
あるとき中2の男子生徒に、
「ねぇ先生ってさぁ、バイト!?」
と言われ、かなりグサッときました・・。
HSPは神経が鋭いので、誰かに言われた嫌なことをずっと覚えているもの。
中学生に無礼なことを言われてグサッとくると、「不快な記憶」がその後何年も焼きつくことになりかねません。
中学生と関わる仕事は、やらないのがオススメです。
④ 販売員
たとえば・・
- 携帯のショップ
- 家電量販店
- アパレル店
- ブティック
など。
もしあなたがHSPなら、こうしたお店で「販売員」として働くのはやめましょう。
理由はこの2つ
- ノルマを課されるから
- 販売成績で順位付けされるから
です。
ただでさえHSPは心配性なので、
「ノルマを達成しないと、職場での評価が下がってしまう・・」
↑という不安がつきまといます。
もちろんノルマを達成するには、お客さんに商品を売らないといけません。
上司に言われるがまま、嫌がるお客さんに売り込まないといけない場面もあります。
人を不快にさせることに強い抵抗を感じるHSPにとって、嫌がるお客さんへの売り込みは精神的にキツいです・・。
そしてHSPは、他人と競争するのが苦手。
販売員として働くと「販売成績」によって順位づけされ、これが辛いと感じる原因になります。
- もし成績下位になったら ・・
→ 周囲に「負けた人」と思われて辛い - もし成績上位になったら
→ 負けた人から恨まれるのではないかと不安
勝とうと負けようと嫌な気分になってしまうんです。
ノルマにたいする強い不安。
販売成績の競争を強いられる不安。
↑こうした不安でメンタルを病みかねません。販売員の仕事は避けましょう。
⑤ パリピなゲストハウス
誤解のないよう断っておきたいのですが、基本的にゲストハウスの接客では、HSPは力を発揮できます。
ゲストハウスに来るお客さんは、話し好きな人がほとんど。
スタッフとの会話も楽しみたい、という人が多いです。
HSPは特定の人とじっくりコミュニケーションをとるのが得意なので、ゲストハウスの接客にやりがいを感じやすいです。
ですが、なかにはHSPがまるで合わないゲストハウスもあります。
それが、「パリピなゲストハウス」。
夜にスタッフと宿泊客が飲んでドンちゃん騒ぎする、あれです・・。
HSPがそうした場にいると、とにかく疲れます。
僕も昔、パリピなゲストハウスで働いていました。地獄でした。
男性スタッフがお客さんたちの前で女装したり、「下ネタ」で盛りがったり・・。
まわりがバカ同然に振るまうなか、自分だけ落ち着いて振るまっていると場の空気が変になります。
HSPはどちらかというと内向的。
しずかな場で誰かと話し込むのは好きですが、大勢のパリピのなかでハイテンションに振るまうのはマジムリです。
まとめ:HSPの特性に合った接客業に就こう
今回は、「HSPの天職になり得る接客業・向いてない接客業」をご紹介しました。
ひとくちに「接客」と言っても、いろんな種類があります。
大事なのは、HSPの特性をプラスに活かせる接客業をすること。そうすれば楽しく働ける可能性がありますよ!