- 「稼ぐこと」以外の働く意味を知りたい人
- 働く目的を見失ってしまい、悩んでいる人
「あなたは何のために働いていますか?」
こう聞かれたら、世の中の90%以上の人が「お金を稼ぐため」と答えるでしょう。
もちろん生活するためにはお金が必要なので、この答えはごもっともです。
ただ、お金のためだけに働くことは、本当に幸せなことなのでしょうか?
むしろ「お金を稼ぐ」以外で、働くことに何か大事な意味はないのでしょうか?
今回は僕の実体験をもとに、働く意味を「お金を稼ぐ以外」に9個リストアップしました。

この記事を読み終えたときに、何か一つでもプラスの気づきを得ていただければ幸いです!
働く意味を「お金を稼ぐ以外」に9個リストアップしてみた
① 世間知らずの大人にならないため


世の中には「世間知らずの大人」がいます。常識がなく、物事の道理がわからない人です。
僕はむかし旅館で働いていましたが、そこの専務がまさに世間知らずの人でした。
専務の母親は、その旅館の女将。
専務は当時30代後半でしたが、それまで一度も働いたことがなく、ずっと母親に守られて生きてきた人です。
幼稚園児のように視点が低く、自分の気分次第で理不尽な要求をしてくるので、従業員ほぼ全員に嫌われていました。
こうした無知な大人になるのは、きまって「社会経験がないから」です。
人は働くなかで、いろんな経験をします。
- 職場の人間関係に悩む
- 上司に怒られて、凹む
- 取引先に、頭を下げる
↑こうやって社会の荒波に揉まれるなかで経験を積み、世の中のことを学んでいきます。
ですが働かずにいると、誰かに厳しく叱られたり、仕事で失敗して落ち込んだりすることもありません。
結果、一般的な大人なら常識として知っていることを知らないまま歳をとり、「世間知らずの大人」になってしまうのです。



世の中のことを知らない大人の姿は、本当に情けないもの。
本当の意味での大人になるためにも、働く必要があるのではないでしょうか?
② 快適に働くための職業的スキルを得るため


当たり前ですが、生きるためには働く必要があります。
ですがここで1つ問題があります。
それは「仕事に活かせるスキルがないと将来職に困り、不利な環境で働くことになる」ということ。
スキルがない人の労働環境は悲惨
僕はむかし、ホテルで派遣で働いていました。
朝5時~夜10時過ぎまでレストランの食器下げ・客室清掃をし、翌朝また5:00に出勤。
寝不足のなか、低賃金で奴隷のように働かされていました。
なぜこうした劣悪な環境で働くことになるのか?
それは、「本人に職務上のスキルがないから」です。
たとえばもし簿記の技術があれば、経理職として、より労働条件のいい仕事に就けるかもしれません。
もしプログラミングができれば、開発会社のエンジニアとして就職し、高給取りを目指せるかもしれません。
ですが上記のような技術をもっていない人は、待遇のいい仕事には就けません。
必然的にレストランの食器下げ・客室清掃などの「誰でもできる単純作業の仕事」をすることになります。



そうした仕事は安月給だったり、長時間労働だったりと、たいてい労働条件が悪いです・・。
仕事に活かせるスキルを身に着けるのは、労働条件のいい職に就いて幸せに生きるために必須。そうした「職業的スキル」は、働くなかでこそ培われます。
不利な環境で不幸な働き方をしないためにも、普段から働いて職業的スキルを身につける必要があるのではないでしょうか。
③ 理不尽に対する耐性を身につけるため


世の中には、理不尽なことがたくさんあります。
とくに会社などの組織で働いているとき、筋が通らないこと、納得いかないことに頻繁に出くわします。
たとえば・・
- 職場の意地悪な上司にいつも悩まされる
- 自分は悪くないのに罪をかぶり、取引先に謝る
- 悪質な客から、脅迫じみたクレームを受ける
など。
もちろんこうした出来事は不愉快ですし、納得がいかないものです。
ですが社会で生きているかぎり、理不尽な目に遭うことは避けられません。
だからこそ、「理不尽にたいする耐性」を身につけることが大切です。
そのためには働く必要があります。
働くなかで様々な理不尽を経験し、そのつど対処し乗り越えていく。そうすることで、どんな嫌な出来事にも対応できるメンタリティーや姿勢が身についていきます。



なぜ働くのかわからなくなったら、
「この理不尽な世の中で生き伸びるうえで必要な経験を積むため」
と考えるといいのではないでしょうか?
④ 社会的信用を得て快適に生きるため


働いていないと社会で信用されず、いろんな場面で歯がゆい思いをします。
僕が20代で派遣で働いていたとき、「自分は信用されていないんだな」と思う出来事がありました。
友人に会いにイギリスに行ったときのこと。
定職がなく、年収が低かったのが原因で、入国審査官に入国拒否されました。
カタコトの英語で空港職員たちを必死に説得するも、気持ちだけでは人は動きません。
機械的な対応しかされず、さいごは強制送還。
海外に限った話ではありません。
日本で暮らしているときでも、
- 定職に就いているのか
- どんな仕事をしているのか
- 年収はいくらなのか
↑上記のフィルターを通して「自分という人間の信用度」が測られることが多々あります。
たとえば・・
- 「クレジットカード作成の審査に落ちた」
- 「アパートの入居申込をしたが拒否された」
↑こうした問題が起きるのも、たいてい本人の信用度が低いからです。
逆に、たとえば会社員としてせめて年収400万円くらいを稼いでいれば、他人からは「安定した仕事や稼ぎのある人だ」と見なされます。



結果、クレジットカードの申請に落ちなくて済みますし、入国拒否もされなくて済みます。
世の中で信用されず歯がゆい思いをしないためにも、普段から働き、社会的信用を確保することが大切ではないでしょうか?
⑤ 憂鬱な仕事に小さな楽しみを見つけるため


日曜日の夜になると、「明日から仕事だ・・」と感じてテンションが下がる。
社会人なら誰もがこうした経験をするでしょう。
僕を含め、世の中の大多数の人にとって、仕事は憂鬱なもの。
よほど夢中になれるほど大好きな仕事をしているでもないかぎり、こうした憂鬱な感覚から逃れることは難しいです。
ですが働いている日々のなかで、小さな楽しみを見出すことはできます。
たとえば・・
- エクセルのスキルが、少し上達する
- 他部署の人と、他愛ない世間話をする
- 出張先で、おいしい定食屋に立ち寄る
など。



僕もいま勤めている会社で、となりの席にいる先輩同士の会話を盗み聞きするのを、ちょっとした楽しみにしています(笑)
生きるために必要な「仕事」という行為の中にある、ささやかな楽しみ。そこに働くことの意味を見出すのもいいかもしれません。
⑥ 独立に必要な経験・知見を得るため


いま会社員として働いている人のなかには、「将来自分で稼げるようになりたい」と考えている人もいるでしょう。
そういう人にとって、いま所属している「会社」という場所は、絶好の学びの場です。
なぜなら会社は「お金を稼ぐ仕組み」ができ上がっている環境であり、そのなかで働くことで様々なビジネススキルが身につくからです。
たとえば・・
- 論理的な説明で他人を納得させる技術
- チームを率いるためのマネジメント力
- 電話対応での敬語の正しい使い方
- 取引先との関係構築のノウハウ
上記のスキルはすべて、将来あなたが独立し、自力で稼ぐ上でかならず役立ちます。
そう考えると、会社は「給料をもらいながらビジネスを学べる学校」と捉えることもできます。
「10年後に独立し、自分で稼いで生きていけるよう、いまは会社の仕事で多くのことを学ぼう」



↑こうした目的意識を持てば、より有意義に働けるのではないでしょうか。
⑦ 休日を楽しむため


多くの社会人にとっての楽しみは、やはり週末。
自分の好きなことをして、自由に過ごせます。
たとえば・・
- 大好きな趣味に打ち込む
- 家族みんなで温泉旅行をする
- 友人たちと裏庭でバーベキューをする
↑こうやって自由に過ごせる時間は、本当に幸せですよね。
ただ実際、休日を楽しめるのは平日に働いているからこそです。
人は月~金までの5日間、緊張感をもってキビキビ働きます。
金曜の夜にその緊張感が一気に解けるからこそ、大きな解放感を感じ、翌日からの休日が楽しみだと感じるのです。



ですが、無職になると状況は変わります。
無職になると毎日が休日。
働いているときは貴重だと感じていた休日がつねに目の前にあると、かえってありがたみが薄れ、充実して過ごせなくなるもの。
休日を目いっぱい楽しむには、普段から働くことが大切ではないでしょうか?
⑧ 折り合いのつけ方を学ぶため


社会で人と関わっていると、他人に対して
- 「なぜこの人はこんなことをするんだろう?」
- 「なぜあの人はあんな考え方をするんだろう?」
と不満に感じることがあります。
職場でも、趣味のサークルでも、友人同士の付き合いなどでもそうです。
他人と関わっている以上、こうした「他人への不満」はかならず起きます。
ですが不満だからといって、相手の行動を変えようとしても無駄です。相手に反発されたり、仲が悪くなったりして、よけい状況が悪化します。
人との付き合いで大切なのは、多少相手に不満があっても受け入れ、折り合いをつけること。



そして働いていると、「折り合いをつけるべき場面」にたくさん出遭います。
たとえば・・
- 職場のめんどくさい先輩には
→ 適度に距離を置き、話をふられても適当に合わせて無難に対処する - いつも指示が曖昧な上司には
→ イライラを抑え、毎回「それは具体的に〇〇ということでよろしいですか?」と聞く
上記のとおり。
折り合いをつけることは、社会で生きていくうえで重要です。働くことで、折り合いのつけ方を学べます。
⑨ 自分の平凡さを受け入れ、楽になるため


世の中には、自分のことを特別な存在だと考える人がいます。
- 「自分はこの人生で、何か大きなことができるはずだ」
- 「社会のレールに従って生きるのは嫌だ」
と、まるでマンガの主人公のようなことを考えます。
これは若くて血気盛んな20代の人に多いです。
- 高校卒業後に就職せず、バンドマンを目指してフリーターになる
- 人生に疑問をもち、大学卒業したあとに海外を放浪しに行く
↑こうした「一般的な進路から逸れた生き方」をするのは、自分が人と違う人生を生きられると信じているからなのでしょう。
ただ、自分が特別な存在だと考えるのは危険です。
いざ失敗したとき、精神的に大きなショックを受けて立ち直れなくなるからです。
僕は大学を出てから就職せず、ずっと画家になる夢を追っていました。もちろん夢は叶いませんでした。
30を過ぎてから就活をしましたが、キャリアがないために何十社もの応募先から不採用通知を受け、絶望していました。



「自分が何か大きなことができる」という勘違いが、結果的に不幸を呼んだのだと思います。
いっぽうサラリーマンとして働いていると、「自分は特別だ」という勘違いをしなくて済みます。
- 毎朝スーツを着て出社する
- 上司に怒られて落ち込む
- 取引先に頭を下げる
↑こうした平凡な日々を過ごすなか、
「自分も世の中の人たちと同じ、ごく普通の人間なんだな」
と実感できます。
ごく普通に会社で働き、ごく普通の暮らしをする。
そうした生き方のほうが、叶いもしない夢をあくせく追いかけたり、非現実的な野望をもつせいで不幸になるよりずっと幸せです。
はじめから「自分はこんなもの」と割り切り、地に足をつけて日々のささやかな暮らしを楽しんでいるほうが、ずっと心豊かでいられます。



働くことの本当の意味は、「自分は平凡だという事実を知って楽になること」なのかもしれません。
まとめ:働くことには、お金以外にも多くの意味がある


今回は、働く意味を「お金を稼ぐ以外」に9個リストアップしました。
ときに何のために働くのかがわからなくなり、思い悩むこともあるでしょう。ですが実際、働くことには様々な意味があります。
自分の仕事にどんな意味を見出すかによって、人生の充実度が大きく変わってくるのではないでしょうか?