『みんなはアイスをなめている』という小説を読んだ。
「貧困」について考えさせられる名作だった。
「貧困家庭の生活」について、親しみやすいイラストや文章で、かつリアルに描き出している。
僕たち日本人の多くがなんの不自由もなく、ふつうの暮らしができているいっぽう、今日も国内のどこかでご飯を食べられずにいる人がいるという事実。
この小説を読むことで、日本でおきている「貧困」という社会問題がわかり、「貧困をなくすために自分は何ができるのか」考えるきっかけになると感じた。
【みんなはアイスをなめている】あらすじ
主人公は小学6年生の男の子・陸。
母親と妹の三人暮らし。幼いころに父親がいなくなり、母子家庭で暮らしている。
母親は介護のパートをしているが生活は苦しく、学校の給食費も払えていない。お風呂は3日に一回。水道代の節約のため、残り湯をわかして入る。
陸は毎日の夕食では500円玉をにぎりしめ、妹と一緒に食べる夕食のおかずを買いに、スーパーに行く。
小学生の男の子が、予算におさまるよう値段を一生けんめい計算する姿。視界に入るお菓子など、ほしいものを我慢する日々。
あるとき、妹が虫歯になってしまい・・。
わけのわからないグチャッとしたごはん・・
主人公の陸が、夕食に「ごはんたった1杯」を食べるシーンがある。このシーンが、貧乏な暮らしのみじめさを物語っていた。
彼はおかずのない、たった1杯のごはんを少しでも美味しく食べるため、マヨネーズやふりかけをかける。
けれど予想とは裏腹に、ネチャッとした薄気味の悪いごはんになってしまう。陸は、そんな「食べ物なのか」もよくわからないご飯を食べている自分が、すごくみじめに感じる。
「なぜ自分はこんな生活をしなきゃならないんだ」と。
大人のように働けばお金を稼げて、暮らしももっと豊かになる。けれど子どもは働くことすらできない。
まわりの同級生たちが美味しいご飯を食べ、なに不自由なく過ごしているなか、自分だけがこんなに貧しい暮らしをしないといけないことへの不満、やるせなさ。
あの「たった1杯のごはん」を食べるシーンが、貧困のリアルを如実に描いているような気がした。
日本は豊かな国。けれど貧困はある
日本は、世界でもトップクラスの「豊かな国」だ。
ほかの貧しい国とは比べものにならないほど、満たされた暮らしができる。
僕が学生時代、友人とカンボジアに旅行したときのこと。
村でホームステイさせてもらったが、そこのシャワールームには電気がなく、つめたい水しか出なかった。
けれど村の住民たちにとって、そうした「水のシャワー」は当たり前なのだ。
日本では温かいシャワーが浴びられる。
食べたいものは近くのコンビニで買えるし、清潔な服をきて過ごせる。
けれどこんなに豊かな生活が当たり前の日本でも、「貧しさ」を強いられている人がいる。
いわゆる「母子家庭」はまさにその典型だ。
多くの人が一軒家に住み、家庭をもち、ごくふつうに暮らすなか、今月の家賃を払えるかどうかで頭を悩ませている人がいる。
見過ごされがちだけれど、実際にそこにある現状。
そうした現状に、いつでも目を見開いていたい。
貧困を少しでも減らすために、自分たちにできることは何かを考え、行動することが大切じゃないだろうか。
「最低限の暮らし」ができる世の中に
本書を読んで、少なくとも日本の人たちみんなが「最低限の暮らし」ができる世の中になるよう、微力ながらも貢献していきたいと思った。
- 毎日ちゃんとしたご飯が食べられる
- 綺麗なお湯をはったお風呂に入れる
- あったかい布団のなかで寝られる
↑なんてことないことだけれど、実はすごくありがたいこと。
みんなが不自由なく、ごく普通に暮らせる。
そんな世の中にしていければ、こんなに幸せなことはない。
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ちなみに「貧困』がテーマの映画についてまとめた記事もあります。よかったら参考にしていただければと思います。