丁寧な暮らし映画『さいはてにて』のラストシーンに心が震えた

先日U-NEXTで『さいはてにて』という映画を観た。最後のシーンに心がふるえた。

(動画の引用元:YouTube 東映映画チャンネル)

僕は「丁寧な暮らし」を描いた映画が好きでよく観る。

とりわけ贅沢でも派手でもない、ごくありふれた平凡な暮らしを幸せに生きる映画。多くを求めず、地に足をつけ、目の前のちいさな豊かさを大切にして生きる人の姿を描いた作品。

この映画は、いままで観た「丁寧な暮らし系映画」のなかでも、トップ5に入る作品だと感じた。

とくに震えたのは、映画が終わる直前の、あのラストシーン。

映画が終わったあと、「幸せな暮らしってこういうことか・・」と悦に入り、しばらくのあいだイスの上でぼーっとしてしまったのを覚えている。

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大切なものは足元にある

本当に大切なものを探しに外の世界へと出ていく。

大好きな店をたたみ、そこで楽しい時間を共に過ごしていた人たちと別れ、思い出の地を去る。

でもそれは本当に正しい選択なんだろうか?

人は何か欲しいものがあるとき、今いる場所じゃないどこか遠くの世界に、その在り処を見つけようとする。

自分とは縁のない遠くの世界。もちろんそこで出会う人や物事はすべて新しく、新鮮かもしれない。でも自分にはつながりもなく、思い出もない。

まわりは笑顔で接してくれる。親切にしてくれる。けれど、心のどこかで「いずれここを去る他人」という目で見られていると感じる。

そんなとき感じるのは、自分はよそから来た観光客でしかないという孤独感。

自分がどうしても見つけたくて歩き回り、たどり着いた場所には、じつは何もなかった。そんなことが人生にはよくある。

そのときはじめて気づく。本当に大切なものは、かつて自分がいたあの場所にあったということに。

どうして今まで気づかなかったんだろう。こんな見知らぬ場所じゃなく、あの時あの場にすべてがあったのに。

けれど手遅れなんかじゃない。

いま気づいたなら、いま戻ればいい。大切なものがすべてあったあの場へ。自分の帰りを待っている人たちのもとへ。

最後に行きつく場所は、きっとみんな同じ。

最後のシーンに心が震えた。

さいごはやっぱり、人

人の幸せを決める一番重要なもの。

それは周りにいる人たちとの関係性なんだと思う。

とりわけお金持ちじゃないとしても、贅沢じゃないとしても、自分にとっての幸せがわかっていれば、けしてお金がたくさんある必要はない。

いちばん大切なことは、どれだけ人に愛され、そして人を愛せたか。

あのラストシーンは、まさにそうした「人の愛」の深さや大切さを表していたように思う。

(※『さいはてにて』はU-NEXTで観ましたが、U-NEXTでは時期によって作品の配信が終了することもあります。ご注意ください)

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