こんにちは、Kitaです。
筆者はこんな人
- 一人暮らし節約家
- 貯蓄率:40%超
- 生活費:月8万
- 元浪費家
- 節約貯金をがんばってる人
- お金のことで苦労したくない人
- 「三千円の使いかた」を読みたい人
今回は、原田ひ香さんが書かれたお金の小説「三千円の使いかた」について解説します。
この本は一言でいうと、「僕たちが一生向き合わないといけない【お金】について学ばせてくれる本」です。
平易な言葉で書かれているのですごく読みやすく、スラスラ楽しんで読みながら、現代人が抱えるお金のリアルな悩みについて勉強ができました。
節約や貯金をがんばっている方は、この本を読むとお金の理解が深まり、将来お金で苦労しないために今何をすればいいかがわかります。
では、さっそく本書について解説しますね!
【三千円の使いかた】を読むメリット
本書を読むべき理由。
それは、「人それぞれ違った立場におけるお金の悩みを理解できるから」です。
登場人物はみんなそれぞれ違った立場の人たち。
- 就職したばかりの主人公・美帆 (貯金30万)
- 結婚して3人家族の姉・真帆 (貯金600万)
- 向上心の高い母・智子 (貯金100万弱)
- 73歳の祖母・琴子 (貯金1000万)
この4人はそれぞれの立場でお金についての悩みを抱えています。
一軒家を買うため、お金を貯めようとする美帆。
倹約生活のさなか、今を楽しむことにお金を使わないでいいのかと葛藤する真帆。
かつて貯金があったのに、子供の進学で一気に貯金がなくなり不安な智子。
生活不安から、高齢になっても働きたいと考える琴子。
それぞれが持つ「お金の悩み」を、それぞれまったく別の視点で描かれているのが本書の見どころ。
4人の悩みは、僕たち現代人がもっている典型的な悩みを反映したもの。
読んでいて「あぁ、これあるあるだな~」と思うシーンがたくさんありました。
だからこそ本書を読むことで、世の中の多くの人が抱えるお金の問題についてよく理解することができます。
これからの人生で、お金のことで不自由せず幸せに生きていくヒントを得られるはずです。
【三千円の使いかた】本書のオススメポイント3つ
① 大切なのは、ちいさな倹約の積み重ね
お金が貯まらないことに悩む主人公の美帆。
彼女はあるとき姉の真帆から、「毎日100円貯金する」ことを勧められます。
一日100円を貯金すれば月に3000円。
その3000円を投資信託にまわし、少しずつお金を増やしていくようにと。
見どころはここから。
姉のアドバイスで一念発起した美帆は、さっそく貯金箱を買いに行こうとします。
でも姉はそれを止め、かわりに自宅にあったナッツの空き缶を手渡し、それに貯めるよう言います。
これ、すごく大事なことだなと感じました。
貯金すると決めるやいなや、貯金に必要なものを買うためにお金を使う。これでは本末転倒。
何かするたびお金を使っているかぎり、貯金は増えません。
大事なことは、たとえ数百円という小さな金額でも、安易に手放さないこと。
すぐ貯金箱を買おうとするんじゃなく、「お金をかけずに、今あるもので代用できないか」考えることが大切。
ナッツの空き缶はいいアイディアだなと思いました。
こういう小さな倹約もコツコツ続ければ、少しずつでも確実に経済的に豊かになっていきます。
② 貯めたお金は、突然ゴッソリ消える可能性もある
けっこう酷な現実。
何年という時間をかけてコツコツ貯めてきたお金が、ある出来事がきっかけで、まるで嘘のようになくなることがあります。
それを痛感させられたのは、母である智子のストーリーを読んだときでした。
智子はかつて八百万円の貯金があったにもかかわらず、子どもの大学進学や結婚などで、何百万というお金が消えることに。
気づけば貯金は100万円弱。中年の歳になって、100万しかない焦りと不安。
そして今度は義母である琴子の介護費用の心配も出てきて、いよいよやばいことに・・!
人生にはいろんな出事、いわゆる「ライフイベント」があります。
- 進学
- 就職
- 結婚
- 出産
これらは人生を大きく変えるイベントであると同時に、「多額のお金がかかる」という現実が付きまといます。
(以前「老後の資金がありません」という映画を観ても、同じことを感じました)
十分あると思っていたお金が、ライフイベントがきっかけでゴッソリ出ていってしまう。
もちろん必要な出費なんだけれど、「それまで苦労して、時間をかけて貯めてきたのはいったい何だったんだろう?」という考えが頭をよぎるのはムリもないかもしれません。
でもこれが現実。
「お金はあるとき突然出ていく可能性がある」という事実を認識しておくことも、お金と健全につき合っていくうえで大切なのではないでしょうか。
③ 思わぬ幸運を運んできてくれるのは、人の縁
仕事を探しているとき、「人との縁」が思わぬ幸運をもたらしてくれることがあります。
これは祖母の琴子のストーリーで描かれていました。
琴子は働くためにコンビニのアルバイトに応募しますが、73歳という年齢もあり不採用に。
仕事が決まらず困っていたある日、当時面接してくれたコンビニ店長が電話をくれます。
「知り合いが団子屋さんを開くので、よかったらそこで働きませんか?」
とのこと。
年齢的にコンビニの仕事には就けなかったけれど、琴子の清楚なふるまいが団子屋さんのスタッフにぴったりだと思ってもらえた。
人とのつながりのおかげで、あるときパッと仕事が決まった瞬間です。
これは僕自身も同じ経験があるのでよくわかります。
むかし勤めていた会社を辞めることになり、転職先を探していたところ、社長から「懇意の会社がいま社員募集してるから、そっちに行かないか?」という誘いがきました。
「当面の生活費の心配もあるし、転職活動がんばらなきゃ」と気を張っていたときに、あっさり仕事が決まって拍子抜けでした。
仕事探しでは、人との縁が思わぬところで幸運をもたらしてくれるもの。
だからこそ普段から人とは誠実につき合うことが大切です。
あなたが信用できる人だと周囲に思ってもらえれば、あなたが仕事に困っているとき、ひょんな誘いが来るかもしれません。
本書をもとに、節約家のあなたに伝えたいこと3つ
① 人生何が起きるかわからない。つねに貯金しよう
じっさい人生、なにが起きるかわからないもの。
予想外のことが起きたときに備え、いまから準備しておきましょう。
たとえば僕は30代独身ですが、独身の人のなかには「自分は将来、結婚なんてしない」と考えている人もいます。
でも未来はどうなるかわかりません。
結婚しないと思っていたのが、1年後には変わっているかもしれない。
ある日とつぜん出会いがあり、流れで婚約することになるかもしれない。
そのときにお金がないと苦労する可能性があります。
物事の状況や人の価値観は、ときの経過とともに変わっていくもの。
いまAだと考えていることが、5年後はBに変わっている、というのはよくあることです。
「物事は変わり、自分も変わる」という事実を見据えたうえで、有事にそなえて今から「貯金」という準備をしておくことが大切です。
② まずは500万円を貯めよう
本書では「貯金1000万を目指そう」と書かれていますが、個人的には、まず貯金500万を目指すのがいいんじゃないかなと思います。
「1000万円貯金」と聞くと、誰もがテンションが上がるでしょう。
ただ同時に、すこしハードルが高く感じてしまうのも事実かなと。
あえて目線を下げ、まずは500万円貯めることを目標にしたほうが、より現実味があって挫折しにくいと思います。
「500万円ですらハードル高いよ・・」
と思う人もいるかもしれません。
でもふだんから倹約し、コツコツ貯金できる人なら、500万円貯金は決して難しくないですよ。
もちろんそれなりの時間はかかりますが、当面は500万円を目指してみるのはいかがでしょう?
一人暮らしで貯金をがんばる人は・・
いま一人暮らしで貯金をがんばっている人は、以下の記事が参考になるかもしれません。
各ステージごとに、「さらなる貯金に向けて何をすればいいか」がわかります。
500万円を目指すうえで参考にしてみてください。
③ 生涯現役。大好きな仕事を見つけよう
この小説を読んで実感したのは、
「老後もお金の心配はなくならない」
ということ。
たとえば20~30代の若い人だと、自分の老後をイメージしにくいかもしれません。
でも生きていれば、老後は100%やってきますし、老後もお金の心配は消えることはないでしょう。
だからこそ、老後は「好きな仕事」「得意な仕事」で働きつづけることが大切だと思います。
60歳を過ぎても貯蓄や生活費のため、働く必要がある。
そんなとき、やりたくない仕事、苦手な仕事をするのはさすがにつらいですよね。
いっぽう自分の好きな仕事、得意な仕事で生涯現役で働くことができれば、お金を稼げて仕事も楽しめる。
万々歳じゃないでしょうか?
これからの時代、老後に年金だけで生活するのはキビシイです。
いかに自分が楽しめる仕事で働き続けるかが、老後を幸せに生きるうえで大切だと思います。
まとめ:「三千円の使いかた」は節約家のバイブル
今回は、節約家の人に読んでほしい小説「三千円の使いかた」について解説しました。
お金について理解を深めることは、お金で苦労しない人生を生きるために必須です。
ぜひ一度、本書を手にとってみてはいかがでしょう?
ちなみに今回は小説をご紹介しましたが、お金について学ぶには「お金関連の映画を観る」のも役立ちます。
以下の記事では、思わず貯金したくなる映画についてご紹介してます。
よかったらぜひ読んでみてください。
マネーリテラシーが上がる映画については、以下の記事が参考になります。
貯金をがんばっている方は、以下の記事を読んでみてください。